革製品OEMで最も多いトラブルが「納期遅延」です。原因の大半は、発注側が革製品の工程数を理解せず、現実的でないスケジュールで動き出してしまうこと。本記事では、サンプル製作から量産納品までの工程別タイムラインを公開し、逆算で計画を立てる方法を解説します。
革製品OEMの主要工程
革製品OEMは大きく6つの工程に分かれます。
- 仕様すり合わせ:要件ヒアリング、参考イメージ確認、ラフ案合意
- サンプル製作:型紙→裁断→縫製→仕上げ(1〜3回の修正サイクル)
- 量産仕様確定:材料・金具・数量・納期の最終契約
- 素材調達:革・金具・付属品の手配(タンナー在庫次第で時間差)
- 量産:裁断〜縫製〜仕上げ〜検品
- 梱包・出荷:化粧箱詰め、出荷検品、配送
工程別の所要期間(目安)
| 工程 | 所要期間(目安) | 変動要因 |
|---|---|---|
| 仕様すり合わせ | 1〜2週間 | 初回打ち合わせの精度 |
| サンプル製作(初回) | 2〜4週間 | 金具手配・修正回数 |
| サンプル修正 | 1〜3週間 ×回数 | 変更点の多さ |
| 素材調達 | 2〜6週間 | 革種・タンナー在庫 |
| 量産(小〜中ロット) | 4〜8週間 | ロット数・工程複雑度 |
| 量産(大ロット・海外) | 8〜16週間 | 船便等の物流 |
| 梱包・出荷 | 1〜2週間 | 化粧箱手配・検品 |
合計すると、仕様相談から初回納品まで概ね3〜6ヶ月を見込むのが安全です。
納期を左右する3つの要因
- 素材の入手難度:希少素材(コードバン等)は数ヶ月待ちもあり得る
- 金具のオリジナル製作:鋳造を含むと+1〜2ヶ月(参考:ブランド専用金具のつくり方)
- 仕様確定までの往復回数:曖昧な依頼ほど修正サイクルが増える(仕様書の書き方)
シーン別の逆算例
クラウドファンディング
達成発表から発送まで「2〜4ヶ月」を公表値に。サンプルはCF開始前に完成させ、撮影に使う(参考:CF向け製造設計)。
父の日・クリスマス商戦
店頭並びの6ヶ月前から動き始めるのが鉄則。ギフト商戦は欠品=機会損失が大きいため、前倒し発注で対応。
展示会出展サンプル
出展3ヶ月前にサンプル製作開始。出展後の量産発注に備え、量産仕様も並行で詰めておく。
「次のシーズンに間に合わせたい」と思ったら、すでに半年前です。革製品は急いで作るほど品質に皺寄せが来やすいため、早めの相談が成功の鍵です。
納期短縮の3つの現実的方法
- 既存型の活用:既存パターンの色違い・素材違いは、新規型起こし不要で短縮可能
- 金具の既製品活用:オリジナル鋳造を諦めて既製金具で代用すれば+1ヶ月短縮
- 素材の柔軟な代替:第一希望素材が品切れなら、似た代替革で進行
よくある質問
Q. 急ぎで2ヶ月以内に納品してほしいのですが?
A. 既存型・既製金具・在庫革を活用する条件であれば可能性があります。完全オリジナルの場合は2ヶ月では難しいケースが多いです。まずはご相談ください。
Q. 量産中の途中追加発注は可能ですか?
A. ライン状況によります。最初の発注時に「追加発注の可能性」を共有しておくと、素材確保等で柔軟に対応しやすくなります。
アイライズ工房の納期管理
当工房では発注時に工程ごとのタイムラインをご提示し、進捗を定期的に共有します。納期遅延の兆候があれば早期に共有し、リカバリ策まで一緒に検討します。スケジュール感のご相談はお問い合わせから。
